SBI新生の定期に990万円。同じ金利なら3ヶ月でいい、と思ったら違った

2026.10.25公開2026.10.26更新

新規口座開設の特典で、年1.70%の定期預金がある。

SBI新生銀行の「スタートアップ円定期預金」。口座を開いた月から3ヶ月目までしか申し込めない、一度きりの商品だ。990万円を預けた。

申し込み画面の前で、しばらく止まった。3ヶ月ものと1年ものの金利が、同じだったからだ。

そもそも、なぜ動かしたのか

このお金はもともと、みずほ銀行の普通預金に置いてあった。

理由1:金利の差が無視できない水準になった

ゼロ金利の時代なら、どこに置いても同じだった。今は違う。

置き場所 金利 990万円を1年置いた場合(税引前)
みずほ 普通預金 年0.40% 39,600円
SBI新生 スタートアップ定期 年1.70% 168,300円
差額 128,700円

同じ金額を、ただ違う場所に置くだけで12万円変わる。作業時間は、口座開設からSBI新生のハイパー預金(SBI証券と連携する円普通預金)の申込、定期の設定まで含めて2時間ほど。時給6万円の仕事になった。

ちなみにみずほの普通預金は、2026年11月2日から年0.50%への引き上げが告知されている。金利が上がっているのは全体の流れであって、メガバンクが悪いという話ではない。それでも1.70%との差は埋まらない。

理由2:口座開設の特典が重なっていた

SBI新生銀行では同時期に、口座を移すと特典がもらえるキャンペーンが重なっていた。条件を並べたら7つあり、合計65,000円になった(別記事で書いた)。

定期預金の利息が約11万円、キャンペーンが65,000円。合わせて17万円を超える。どちらか片方だけなら動かなかったかもしれない。重なったから動いた。

理由3:そもそも、このお金は余っていない

これが一番の理由だ。

「毎月の給料があるんだから、定期の分は投資に回せばいいのでは」という疑問は当然出る。自分でも考えた。計算してみて、答えが出た。

NISAの残り生涯枠は約1,058万円。定期に入れたのは990万円。ほぼ同じ金額だ。偶然ではなく、残り枠に合わせて金額を決めた。

つまりこの990万円は「置き場所に困ったお金」ではない。行き先がすでに決まっている、順番待ちの列だ。

では給料はどこへ行くのか。2027年の家計を並べるとこうなる。

年額
手取り 約234万円
賞与(手取り推定) 約110万円
生活費+年間の臨時支出 ▲217万円
iDeCo(月62,000円) ▲74万円
残り 約53万円

給料から出せるのは年50万円ほど。従業員持株会の売却金が年200万円前後戻ってくるので、合計で年250万円(初年度は実績がないため概算)。

NISAの年間枠は360万円。毎年100万円ほど足りない。その不足を3年分埋めるのが、定期に入れた990万円という位置づけになる。

さらに言えば、iDeCoを月62,000円に引き上げると、給与単体では月6,684円の赤字になる。余裕があるから寝かせているのではなく、枠を埋めきるために確保しておかないと間に合わない、という状態だ。

3ヶ月と1年、金利が同じだった

  • 3ヶ月もの:年1.70%(税引前)
  • 1年もの:年1.70%(税引前)

期間が長いほど金利が高い、という思い込みがあったので意外だった。

同じ金利なら、短いほうが有利に見える。3ヶ月で一度戻ってきて、また預け直せばいい。そう考えた。

そうはならなかった

この商品は「口座開設から3ヶ月目まで」の期間限定だ。3ヶ月ものが満期を迎えた時点で、もう同じ金利では預け直せない。満期後は通常の定期預金の金利に戻る。

つまり3ヶ月ものを選ぶというのは、「1.70%を3ヶ月だけ使って、残りの9ヶ月は捨てる」ということだった。

正しい選び方はこうなる。

  • 1年以内に使うお金 → 3ヶ月もの(使う時期に合わせて戻ってくる)
  • 1年は動かさないお金 → 1年もの(1.70%を1年フルで使える)

「同じ金利なら短いほうが得」ではなく、「同じ金利だからこそ、使う時期だけで決めればいい」。そういう商品だった。

使う時期で割り振った

期間 金額 満期 用途
3ヶ月もの 240万円 2027/01/01 翌年のNISA枠
1年もの 400万円 2027/10/01 翌々年以降のNISA枠
1年もの 200万円 2027/10/01 同上
1年もの 100万円 2027/10/01 同上
1年もの 50万円 2027/10/01 同上
合計 990万円

預入日はすべて2026年10月1日。満期取扱方法は全て「自動解約」にしてある。満期日に普通預金へ戻るので、気づかないうちに低い金利で預け直されることはない。

来年1月に使う240万円を1年ものに入れてしまうと、中途解約することになる。これは避けたかった。理由は次の通り。

中途解約すると、どうなるか

この商品の中途解約には2つの痛みがある。

ひとつ、一部解約ができない。対象の定期預金を丸ごと解約することになる。1本400万円の定期から100万円だけ、ということはできない。だから最初の分け方が重要だ。

ふたつ、金利が落ちる。

預入期間 適用される利率
6ヶ月未満 普通預金金利
6ヶ月以上1年未満 約定金利の50%(=0.85%)

6ヶ月を超えていれば半分は残るが、それでも1.70%は消える。満期まで持てる金額だけを1年ものに入れる。そこは慎重にやった。

本数を分けても利息は変わらない

もうひとつ調べたことがある。750万円を1本で預けるのと、分けて預けるのとで、受け取る利息は変わるのか。

結論は、引き出さないかぎり変わらない。

定期預金の利息は「元本×金利×期間」で決まる。本数で割っても、合計元本が同じなら合計利息も同じだ。750万円を1本にしても、400万・200万・100万・50万の4本にしても、1年後の利息は127,500円(税引前)で変わらない。NISAやオルカンのように複利が雪だるま式に効く世界ではないので、分割しても不利にならない代わりに、有利にもならない。

では分ける意味はどこにあるか。途中で一部だけ必要になったときだ。

この商品は一部解約ができない。1本にまとめていると、10万円必要になっただけで750万円全部を解約することになる。6ヶ月以上なら0.85%、6ヶ月未満なら普通預金金利まで落ちる。750万円全部が、だ。

4本に分けてあれば、50万円の1本だけを崩せばいい。残りの700万円は1.70%のまま走り続ける。

金額を倍々にした理由

50万・100万・200万・400万という並びにしたのには理由がある。この4つを組み合わせると、50万円刻みで750万円までのどの金額でも作れる。

  • 150万円必要 → 50万+100万
  • 250万円必要 → 50万+200万
  • 650万円必要 → 50万+200万+400万

必要な額に一番近い組み合わせだけを解約して、残りは1.70%のまま置いておける。250万円ずつ均等に3本にするより、崩す量を小さくできる。

保険として分けるのはあり。利息を増やす目的で分けるのは意味がない。そこは変わらない。

なぜ、今すぐオルカンに入れないのか

下落と複利の関係についてはオルカンが下がった。でも口数は1口も減っていない事実でも整理している。

ここで当然の疑問が出る。株式の期待リターンは年5〜7%で、定期預金の1.70%より明らかに高い。現金で寝かせるのは機会損失ではないか、と。

実際、この選択は何度も考えた。結論は「やらない」だが、理由は「怖いから」ではない。

特定口座で先に買うと、税金という関所が増える

特定口座で買った分は、NISAに移せない。売って、利益に20.315%の税金を払って、その残りをNISAで買い直すことになる。

仮に100万円が1年で110万円になったとして、利益10万円に対して約2万円の税金。NISAに入るのは108万円。最初から現金で持って、そのままNISAで110万円分買えていたほうが得になる場面がある。

「あとでNISAに入れる予定のお金」を特定口座に入れるのは、途中に関所を1つ増やす行為だった。

1.70%は、現金のままでも十分な利回りだった

ゼロ金利なら話は別だ。現金で持つコストがゼロだから、少しでもリスクを取ったほうがいい、という議論は成立する。

今は1.70%ある。税引後でも1.355%。インフレ率とほぼ並ぶ水準で、現金の目減りはかなり抑えられる。「現金で待つコスト」が大きく下がったことで、無理に先回りする必要がなくなった。金利のある世界の効能だと思う。

投資に回すお金は、別の場所から出す

だから「定期を崩して特定口座へ」という発想にはならない。特定口座に入れるとしたら、それは定期からではなく、給料と持株会から出た余剰のほうだ。

そしてその条件も決めてある。オルカンの基準価額が10%以上下げたときに、100万円程度。それ以外は動かさない。

暴落のときに動ける現金を持っていること自体が、現金を持っておく理由のひとつになっている。

数字にするといくらか

計算 税引前 税引後
240万円×3ヶ月 240万×1.70%×3/12 10,200円 約8,128円
750万円×1年 750万×1.70%×12/12 127,500円 約101,598円
合計 137,700円 約109,726円

税引後で約11万円。オルカンなら1日の値動きで消える額だが、こちらは元本が減らない前提で確実に増える11万円だ。

生活費が月14万円なので、ほぼ1ヶ月分を銀行が出してくれた計算になる。

次の宿題

  • 3ヶ月ものの満期は2027年1月。そのままNISAへ入れる
  • 1年ものの満期は2027年10月。その時点で同条件の定期はもう存在しない
  • 満期後の置き場所を、1年かけて探しておく

一度きりのボーナスステージなので、終われば普通の世界に戻る。次は普通の世界で、どこに置くかを考えることになる。

※ 金利・中途解約利率は申込時点のもの。最新の条件は各行の商品説明書を確認のこと。

本記事は個人の記録であり、特定の金融商品の推奨や投資・税務上の助言ではありません。制度の適用可否は個々の状況によって異なります。

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